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秘密ごっこ(21)


 咲良が初めて来た街は、とても華やかだった。
 駅前は理路整然としており、清潔感を漂わせている。咲良はこんな上品なところに住んでみたいと思った。
 平日にもかかわらず人通りが多い。セレブ気取りの奥様たちが大声で話しながら闊歩している。夏休みのためか、母娘のカップルも目立つ。

「じゃぁ、こっちの通りへ行ってみようか。女性にとっても人気らしいよ」
「は~い! 先生は、この街、詳しいんですか?」
「まぁね。昔住んでたことあるから。でも、個人的にはそんなに好きな場所ではないんだ。ボク的には高層ビルが林立している大きな街がいいね」
「そうなんですか。私は、この街、すっごく気に入りました。完全に女性向きですよね~。雑誌とかでもよく紹介されてるし」
 咲良が雅也の左腕にぶら下がるように抱きつく。屈託のない少女の笑顔を見て、雅也の気分が高揚する。
 雅也がゆっくりと歩き出す。咲良が離されないように歩調を速める。
 二人はウィンドウショッピングしながら、初デートを満喫した。
 咲良が気になるショップを片っ端から冷やかしていく。その様子を雅也が優しげに見守る。微笑ましい光景だ。
 しかし、咲良はときどき、刺すような視線を感じた。
(もしかして私たち、不倫してるように見えるのかしら? いや、先生はとても若く見えるから、恋人同士にしか見えないはずだわ。それに、しようと思ったら、正式に結婚だってできるんだから。きっと、みんな妬いてるのね)

 セレクトショップのショーケースを眺めている咲良に、雅也が話しかけた。
「じゃぁ、再開するよ。いいね」
 咲良が振り返って不思議そうな顔をする。
「えっ、なんですか?」
 雅也がポケットに手を突っ込む。
「あんっ!」
 咲良が跳ねる。
「そういうことだ。分かった?」
 雅也がスイッチを切る。
「オン・オフしながら、この通りの端まで歩くからね。大丈夫。あと百メートルくらいしかないから」
 咲良がしぶしぶ従う。雅也に逆らっても無意味なことは、身に染みている。
「わかりました。よろしくお願いします」

 雅也が前を歩きながら話し掛ける。
「いちおうアドバイスしておくけど。下着、見えてるからね」
 咲良が胸元をじっと見る。
「あーー、透けてる!」
 急いでしゃがみ込んで丸くなる。
「そうだよ。気づかなかった? 駅からずっとだよ。じーと見てた人もいたよ」
「えー、そ、そんな…」
 雅也が咲良の前でしゃがんで、咲良の頭を何度も撫でる。
「そりゃ、そうだよ。こんな炎天下で、黒の下着に薄い生地の、しかも白の服なんだから。透けて当たり前だよ」
 咲良が泣き出しそうな声で強く抗議する。
「わかっててやったんですね! それで黒いのを着替えさせたんですね。ひ、酷いです」

 咲良は楽しむことができなかった。ショッピングしている余裕などもうなくなってしまった。 
 見られないようにするため、雅也に寄りかかるようにして歩く。しかし、前はなんとかなっても、背中と臀部は隠しようがない。
 ブラヒモが透けるのは間々あることだから耐えることもできるが、ショーツが透けてしまうことに対しては、方策を施さなければならない。パンツのラインですら見られたら恥ずかしいのに、全体がわかってしまうなんて、許容範囲を超えている。
 そこで、咲良はハンドバッグでお尻を隠して進むことにした。
 通りの端まで走って行きたいところだが、それは雅也が許さない。それに、スイッチがオンのときは、走ることなんてできない。内股でよちよち歩きするのが精一杯だ。
 始末が悪いことに、後ろの穴がアナルプラグで塞がっている。内股に力を入れると、どうしても菊蕾を意識してしまう。快感が高まることはないが、軽快に歩行することを妨げる。

 咲良は何故か自分を責めた。
(私はなんてハシタナイのかしら。みんなに軽蔑されても仕方のないオンナなんだわ。
 人がいっぱい歩いているところで、真っ黒の下着を見せつけて、イヤらしい道具を股に鋏んで、お尻の穴まで広げていて…
 電車では胸を見られてしまった。見られて気持ちよくなってしまった…
 いままで気づかなかったけど、本当の私は、とても、とても、イヤらしい娘なんだわ)


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テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

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豪円寺 琢磨
(Gouenji Takuma)

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