翌日の10時過ぎ、若夫婦のようなカップルが、ダイニングでブランチを食べている。
さわやかな表情をした青年が、満面の笑顔を浮かべて屈託なく話しかけ、向かい側で控えめに座る乙女のような若婦人が、軽やかに受け答えをする。
「姉さん、今回は最高記録でした。数えてみたら、12回出してました」
「まあ、そんなに? ありがとう。あなたの努力に感謝します」
「念のため言っときますけど、空放射は1発もありませんから」
「それは凄い。きっと若いからね」
「種付けは成功しましたかね?」
「きっとしてると思うわ。今回はいままでと違う感じがしてるの」
「姉さん、感じまくってましたもんね」
「そ、そんな…恥ずかしいから言わないで」
「ところで、どの場所がいちばん良かったですか? 今後の参考のためにも聞いておきたいんですけど」
「どこって言われても…困っちゃうわ」
「ちなみに、僕の第3位は、両親の寝室です。あの背徳感が堪らないです。親のベッドでセックスするだけでも興奮するのに、その相手が兄嫁で、しかも家族公認なんですから」
「私はよく覚えていないから…」
「そうですね。あそこはファイナルステージでしたから。姉さん、意識朦朧としてましたもんね。でも、体だけはしっかり反応してたんだから、たいしたもんです」
「しっかりだなんて、強調しないで」
「で、第2位は、モモの部屋です。高校生の妹の部屋でまぐわうってのも興奮しました。ただ、アイツはすでに処女じゃないんで、その点、若干興ざめですが」
「えっ、そうなの? 桃代{ももよ}さん、すでにロストヴァージンしてるの?」
「ええ。本人が言ってたから間違いないと思いますよ。いったい誰に姦られたんだか。ホント、愚かな妹ですよ」
「あっ、いま思い出した。いちばん印象に残ったのは、エントランスかしら」
「なるほど、確かに。そうそう、あのピンポンには、さすがの僕も焦りました」
「私も本当に驚いたわ」
「あれ、いったい誰だったんだろう? 宅配便やご近所さんなら名乗りますからね。宗教の勧誘だったのかなぁ? 最近、勝手に門を開けて入ってくる人がいるから」
「そうね。知り合いじゃなければいいけど」
「あれ、絶対に、恥ずかしい声を聞かれましたよ。なにしろ、ドア1枚しか隔ててなかったんですから」
「私だって、できるだけ我慢したのよ。あんな恥ずかしい格好で気持ちよくなるなんて、普通じゃないし…」
「ドアノブに手をついて立ちバックでってことですか?」
「だって、あんな破廉恥なことをさせたのは、あなたでしょう?」
「なに言ってるんですか。僕はただ誘導しただけです。ドアの外側に人が立ってるんですから、姉さんが本気で嫌がれば、そりゃぁ諦めましたよ」
「なんででしょうね。あのとき、声を聞かれちゃいけない、とは強く思ったんだけど、体がふわふわしてて…」
「あのとき、逝くに逝けなくて、姉さん、モヤモヤしてたでしょう?」
「まあ、そうね、確かに。それは認めるわ」
「僕が読んだ専門書によると、普通の女性はああいったシチュエーションでは逝くことができないんです。強姦されたとき気持ちよくなれないのと同じです。でも、姉さんは雄叫びを上げて達してしまった…」
「それって、私が変態ってこと?」
「だから、何度も言ってるじゃないですか。 姉さんは“マゾ”だって」
「それは違うわ。意に沿わぬことを強要されているから、最近の私はちょっとおかしいのよ。一時的なものよ、きっと」
「でも、あまりの絶叫に、外の人、驚いて逃げてっちゃいましたね」
「ちょっと聞きたいんだけど、あんなときに急に動き出したのはナゼ?」
「これは最高のシチュエーションだと思ったんです。あの状況で姉さんがアクメに達するかどうか確めてみたくなったんです」
「孝次さん、変なことばかり思いつくのね」
「でも、なんだかんだ言って、他人を意識しながら逝ってしまった。それが歴然たる事実です」
「だから、何度も言ってるでしょ。私がいま置かれている状況が特別なの。理由はそれだけよ」
「それなら、そういうことにしときましょう。で、話を戻して、栄えある第1位は、いったいどこだと思いますか?」
「そんなの、孝次さんのお部屋じゃないの?」
「まさか~。僕の部屋なんて、何度もやってるじゃないですか。わかりません?」
「もしかして、ココ?」
「違います。兄貴の部屋ですよ、兄貴の。当たり前じゃないですか」
「そんなものなの? 私は女だから、よく理解できないわ」
「兄貴に虐げられつづけてきた僕としては、仕返しというか、復讐ができたような気がしたんです。オマエの愛妻をオレが寝取って犯してやったよってね」
「孝次さん、心が屈折してるのね」
「ええ、大いに屈折してますよ。でも今は兄嫁を独占できる自分に満足してます」
「あっ、もうこんな時間。家に戻らなきゃ」
「もう少しくらい大丈夫でしょう?」
「そ、そうね、お昼までに帰ればいいから」
「なら、最後にダメ押しの注入をしておきましょう。一晩寝たから濃くなってるはずです。テーブルに手をついてください」
「しかたのない子ね。わかったわ。でも、片付けモノが済むまで待ってて」
けっきょく、祥子は、日が暮れるまで、隆嗣の部屋で犯されつづけた。
義弟に「兄貴の話題を避けた罰です!」と、鬼のような形相で凄まれた。
祥子は、義弟の本性を見た気がした。
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