孝次は父である作造{さくぞう}と交渉し、妊娠するまで好きなときに抱いてかまわないという許可を得た。隆嗣には作造が事情を説明した。
祥子はさまざまな場所で痴態を晒すことになった。
初回はシティホテルだったが、その後は日中のラブホテルが定番となり、ときには自宅の寝室が舞台になった。
最近は孝次の自室で行うことが増えた。
義母の美代{みよ}は家にいても何も言わない。義妹の桃代{ももよ}は寮住まいなので週末しかいないし、今回の事情自体を知らされていない。
祥子と孝次が磯谷本家のリビングルームにいる。
30畳ある洋間で、中央にイタリア製のソファセットが鎮座し、その上には豪華なシャンデリアがぶら下がっている。南側の窓ガラスは縦2メートル横8メートルあり、外にはイギリス風の庭園が広がっている。
いま、祥子は大理石でできたソファテーブルの上に立ち、孝次はソファに座ってその姿を見上げている。
「こんなところでは嫌よ」
「大丈夫ですよ。今日は誰もいません。オヤジもママもモモも、みんな別荘にいるから、今夜は僕たちだけですよ」
「で、でも…」
「さあ、早く脱いでください」
「こんな場所では無理よ。破廉恥すぎるわ」
「だからいいんじゃないですか」
「いいって言われても…」
「最高のシチュエーションでしょう?」
「そんな…家族が寛ぐ憩いの場なのに…」
「興奮するでしょう?」
「せめて、お部屋にして。あそこなら多少は慣れてるし…」
「ダメですよ。4ヵ月たっても妊娠しないんだから、もっと刺激を与えて妊娠しやすくするしかないんです」
「そんなこと言われても…」
「妊娠するまでの我慢です。頑張ってください! 今日はいちばんできやすい日なんでしょう? なら、ここは踏ん張りどころです」
孝次の言葉遣いは丁寧だが、その命令に逆らうことはできない。
合瀬を重ねるうちに、ふたりの立場は逆転し、媾合するときの主導権は孝次が握るようになった。
祥子はブラウスのボタンに手を掛けるが、手が震えて外すことができない。すでに何十回と抱かれたが、これまで孝次の前で服を脱いだことはない。ましてや、ここは昼間のリビングだ。しかも、目の前で孝次が凝視している。
「孝次さん、やっぱり無理よ。できない。恥ずかしすぎる」
「でも、姉さんが脱がないと先に進めないですよ。んんーん、じゃあ、僕が指示出しますから、そのとおりに脱いでください」
「わ、わかったわ」
「スカートをとってください!」
クリーム色のコットンジャカードスカートがテーブルに落ちる。大理石に黄色の花が咲く。祥子が両手で股間に手を当てる。
「靴下を脱いでください」
祥子が白ソックスを足から抜く。スカートを畳み、ソックスと重ねて脇に置く。
「ブラウスを脱いでください」
スカイブルーのフレンチリネンブラウスが剥がされると、ベージュ色のブラとショーツだけになる。上着をソックスの上に置き、右手でブラジャーを、左手でショーツを隠す。
顔を赤くしてうつむいている義姉に、義弟が笑いながら声を掛ける。
「あいかわらず全然色っぽくないですね、姉さん。そう思って、僕がグッドなランジェリーを用意しときました」
孝次が脇のバッグから布のかたまりを取り出して手渡す。
「これに着替えてください。その間、目を瞑っててあげますから」
祥子が手にとって確かめる。
「こ、こんなものを着けるの? ほとんど隠せないじゃない」
純白のパンティは、透けるレース地のヒモパンで、かろうじて女性器を覆うだけの面積しかない。同じく純白のブラジャーは、マイクロビキニのタイプで、乳首しか隠すことができない。
「早く着替えないと、目を開けてじっくり観察しますよ」
祥子が急いで着替える。全裸姿を見られるわけにはいかない。
「目を開けてもいいですか?」
「イヤ、イヤ。見ないで!」
孝次がゆっくりと瞼を上げる。
「わあぁ、とてもセクシーですよ。よく似合ってます、姉さん」
「い、言わないで…」
「でも、それじゃあダメです。手で隠しちゃあ、肝心なところが見えないじゃないですか。両手を脇につけてください」
祥子は従わない。こんな明るいところでほぼ全裸の姿を異性に見せるわけにはいかない。
孝次が立ち上がって両方の手首をつかみ、無理やり気をつけの姿勢を取らせる。
祥子が恥ずかしさのあまり、真っ赤になった顔を背ける。せめてもの抵抗だ。
「聞き分けのないヒトだなあ。そんなの可愛くありませんよ」
「だ、だって…こんなハシタナイ姿…」
「仕方ない。これは罰を与えるしかありませんね」
祥子が驚いたように孝次を見つめる。
「バツって…」
- 関連記事
-
テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト