契りを結んだ男女がベッドに並んで横たわっている。手と手を繋いで天井を眺めている。
東京タワーのランドマークライトが輝きを失い、大きな窓から複雑に交差する街路灯がはっきりと見える。
「こんな日が来るなんて夢みたいです」
「私も、こんなこと、思いもよらなかったわ」
「僕は姉さんに童貞を捧げることができて、本当に嬉しいんです。相手をしてくれた姉さんに感謝、感謝です」
「そう? 喜んでもらえて私も光栄だわ。でも、孝次さん、あなたまだ未成年でしょう?」
「いま18です。再来月の18日には19歳になります。そういえば、姉さんは何歳になるんですか?」
「女性に年を聞くモノじゃないわ。でも特別に教えてあげる。実はね、今日が22歳のバースデーなの。エディー・マーフィーと同じなのよ」
「えっ、そうだったんですか? それならプレゼントを用意しとけばよかったなあ」
「ううん、いいの。だって、貴重なプレゼントを受け取ったんだから」
「あの~、もうひとつだけ聞いてもいいですか?」
「どうしたの? あらたまって」
「姉さんにとって、僕は何人目の男なんですか?」
「えっ、そんなことが知りたいの?」
「どうしても確認しておきたいんです!」
「もちろん、ふたり目よ。なにも経験しないままお嫁に来たんだから。そんなこと聞くまでもないじゃない」
「いや、でも、最近の子は体験が早いって聞いてたから…やっぱり、初めての相手は兄貴だったんですね」
「そうよ。不満?」
「いえいえ、そんなことないです。でも…ということは…兄弟ふたりに抱かれたってことになるんですね?」
「そ、そうね。そうなるわね。でも、これは私が自ら望んだことじゃないのよ。あなたも知ってるでしょう?」
「もちろん知ってます。でも、オヤジに言われたときは、ホントにビックリしました。元々なに考えてるかわからない人だけど、とうとう頭がおかしくなっちゃったんじゃないかと思いましたよ」
「そうよね。男系の跡継ぎが欲しいというのはわかるけど、こんなことをさせるなんて。私、一時期は、真剣に離婚を考えたのよ。わかるでしょう?」
「ええ、もちろん。でもまぁ僕にとっては『瓢箪から駒』だったんですけど。あっ、でも、OKするまで、これでもかなり悩んだんですよ」
「ゴメンなさい。そうよね。産まれてくるのは孝次さんの子供だものね」
「そうですよ! でも姉さんが育ててくれるんだから、そのへんは心配してません。で、兄貴はどうなんですか? 当然、今日のこと、知ってるんでしょう? 僕は病院に見舞いに行ってから一度も会ってないけど」
「もちろんよ。今日ここへ来たのは、隆嗣{たかつぐ}さんにお願いされたからだもの。いくらお義父様に命令されても、夫が望まないことなんて、わたし絶対しないわ」
「妊娠してますかねぇ?」
「まだわからないけど、こんなこと、今日1回限りにしてほしいわね」
「えっ、姉さんは僕のことが嫌いなんですか?」
「そんなことないわよ。でも、こんなの普通じゃないでしょう?」
「僕はお姉さんが妊娠しないことを願ってます。そしたら、子供ができるまで何度もエッチができるでしょう?」
「なに言ってるの? いつでもってわけじゃないわよ。妊娠しやすい時期限定なんですから」
「えっ、そうなんですか?」
「そうよ。当たり前じゃない」
「すると、次はいつになるんですか?」
「わからないわ。決めるのはお義父様だから。でも多分、1ヵ月後ね」
「でも、続けてしたほうが妊娠する確率は高まるんでしょう?」
「それはそうだけど…これは不貞行為なんですよ。そのこと理解してる?」
「もちろんわかってますよ。でも、旦那、家族、公認なわけでしょう? だったら、家族以外にバレなければいいだけの話じゃないですか」
「それはそうだけど…お義父様がお決めになることだから…」
「じゃあ、僕がオヤジと交渉します。それで、オヤジがいいって言えば、姉さんのほうは問題ないってことですよね?」
「それはそうだけど…隆嗣さんの気持ちもあるし…」
「兄貴はオヤジの言いなりだから。オヤジがOKすれば、なんの問題もないですよ。だいたい、姉さんとの結婚だって、オヤジが決めたことじゃないですか」
「それはそうだけど…でも、ねえ、こんなこと…」
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