2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

歪形{いびつなり}の家族性活(1)


 1984年、盛春某日。
 シャワーを浴びた磯谷祥子{いそがいしょうこ}が、備え付けのガウンを着て出てくる。長くつややかな黒髪を頭頂で纏め、薄化粧を施している。
「お先でした。あなたも入ってね」
 しばらくして、腰にバスタオルを巻いただけの磯谷孝次{いそがいこうじ}が現われる。これから起こることを想像して、股間にテントが張られている。
 祥子は2メートル四方あるキングサイズのダブルベッドにもぐり込み、羽毛の掛け布団から頭だけ出している。
 シーリングライトは落とされ、ベッドサイドにある壁付けのブラケット照明が、二人の舞台をほのかに照らしている。
 大きな窓から見える夜景が美しい。眼前に東京タワーがそびえ、きらびやかな景色の中に満開のソメイヨシノが見える。

 ソファーの前で所在なげに立ち尽くす孝次に、祥子が優しく話しかける。
「さぁ、私の隣に来て。遠慮することはないのよ」
 うなずいた孝次がおずおずと動き出し、祥子の横にゆっくりともぐり込む。
 緊張した二人が天井をぼんやりと眺めている。
 長い沈黙のあと、祥子が上を向いたまま話しはじめる。
「ねぇ、もしかして、初めて?」
 孝次は恥ずかしくて横を向くことができない。
「実はそうなんです。高校のときは勉強ばかりしてたから、彼女すらできませんでした」
「ということは、もしかしてファーストキスもまだ?」
「はい。ママと桃代{ももよ}以外、女性に触れたことすらありません。あっ、ダンスの授業のとき、クラスメイトと手を繋いだことはあります」
 祥子が微笑む。
「私なんかが初めてのお相手でよかったのかしら?」
「とても光栄です」
「そう? でも、なんだか悪い気がするわ」
 孝次が頭を振る。
「全然悪くなんてないですよ。本当に光栄に思ってるんです」
「ありがとう。嘘でもうれしいわ」
 祥子は孝次に恥をかかせないよう、自分が全力でリードしなければならないと思った。
「いいわ。わからないことがあったら、遠慮せずに何でも聞いてね」
「一応、アダルトビデオを観て研究しました。あと、経験豊富な友人たちにもいろいろ聞いて」
「なら、予習はバッチリね?」
「はい!」

 祥子の左手が遠慮がちに動き、孝次の右腕をつかむ。孝次の華奢な体に緊張が走る。
 祥子が勇気を振り絞って声を出す。
「それじゃぁ、キスから始めましょう。上になってくれる?」
 祥子が左手を相手の胸に置いて行動を促す。爆発せんばかりの鼓動が伝わって来る。
「緊張しなくていいのよ。さぁ、いらっしゃい」
 若者が右に寝返りを打ち、大切な目的物に触れないように注意しながら跨ぐ。四つん這いになったその目の前には、憧れつづけた女性の美顔がある。
「キスしますよ。いいですか?」
 祥子が目を閉じたまま静かにうなずく。

 孝次は本とビデオで習得した知識を駆使し、鼻をぶつけないよう顔を傾けながら近づき、薄紅色に輝く唇にそっと触れる。
「これでいいですか?」
 祥子が頭を少し上げて、男の上唇を軽く噛む。
 孝次が舌で相手の唇を舐めまわし、柔らかな肉の感触を楽しむ。そして、舌先で真っ白い前歯を刺激する。祥子が舌を絡めて積極的に応える。
 孝次の舌が相手の口内に侵入し、犯すように激しく動きまわる。女の舌は元の位置に納まったまま動かない。されるがままだ。

 男の欲情がかき立てられ加速する。
 額から鼻、唇、頬、唇、耳、唇と、ご馳走の皿を舐めるように顔全体を舐めつくす。それからさらに下へ移動し、顎、喉、首筋、肩甲骨を唇で愛撫してゆく。
 男は口愛だけでは我慢できなくなる。あこがれの女体に触れたいという強烈な欲望が湧き上がる。
「胸を触ってもいいですか?」
 女が細くて白い両腕を孝次の長い首に絡める。
「揉んでもいいですか?」
 女が腕に力を込め、孝次の頭を胸元へ導く。

 大きな手が美乳を覆い隠し、こわごわと触れたかとおもうと、十指が腫れ物に触るかのように動きはじめる。
 指先に力を入れて揉んでみると、弾力のある肉塊が指先をゆっくりと押し返す。手の平で円を描くように撫でると、プリンのように揺れ動く。
 乳房の感触を堪能した男がいったん手を離し、今度は下から支えるように触れる。
「おっぱい、舐めてもいいですか?」
 女の両手が男の後頭部を荒々しくさする。

 男が乳首を口に含んで赤ん坊のように強く吸うと、乳頭が勃起してさらに刺激しやすくなる。
 余裕の出てきた男は、乳房を揉みしだきながら乳輪全体を長い舌で犯す。アダルトビデオの定番シーンのように。
 「姉さん、柔らかいです。女性のおっぱいって、とっても気持ちいいんですね」
 行為が始まってから初めて、女が口を開く。
「恥ずかしいから、言わないで」
 興奮した男は饒舌だ。
「でも、ホントにいい感じなんです。よくマシュマロみたいって言うけど、マシュマロっていうよりも絹豆腐みたいな感じですね。繊細で、壊れてしまいそうで。気持ちよくなってくれてますか?」
「ええ、とっても気持ちいいわ」
「次はどうすればいいんですか? ビデオではアソコを舐めたりしますけど。それとも、僕のチンチンを舐めてくれるんですか?」


関連記事

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

コメントの投稿

非公開コメント

  PROFILE
豪円寺 琢磨
(Gouenji Takuma)

 サイトを移しました。
 移転先は下記のアドレスです。

 http://seiai.sakura.ne.jp/blog/

  CATEGORY
 PR