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交換も五度目なら(06)


 朝食後、コーヒーを飲みながら反省会を行い、“交換”に関する幸恵さんの心情を根掘り葉掘り聞き出しました。
 私と心も体も繋がった幸恵さんは、いろんなことをざっくばらんに話してくれました。
 最大の疑問は、幸恵さんがなぜ“交換”に同意したかです。
 “交換”の前にも後にも、妻からはさまざまな説明を受けていますが、はっきり言って今でも納得できていません。
 『マンネリぎみの夫婦関係に刺激を与えるため』というのが理由といえば理由なのですが、私たちは結婚してまだ数年しかたっていないカップルだし、日野夫妻もそれは同じです。

 はじめ妻から提案を受けたとき、私は受け入れることができませんでした。まったく理解できなかったからです。
 妻は私に不満を持っていたのかと非常に残念な気持ちになりました。しかし、妻は「そうじゃない」と言い張りました。ただ刺激が欲しいだけなのだと。
 幸恵さんとは面識がありました。よく拙宅へ遊びに来ていたからです。
 明るくて可愛い人だなあとは思っていましたが、「妻にできたらよかったのに」とか「できたら抱いてみたい」などという考えは浮かびませんでした。あくまで妻の仲の良いお友達としか見ていなかったのです。
 しかし、妻から提案を受けたあと、幸恵さんに会ってみて、セックスしたいという思いが湧いてきました。
 でもそのためには、こちらも幸恵さんの夫に愛妻を差し出さなければなりません。
 おおいに悩みましたが、妻と幸恵さんに説得され、《とりあえず食事から》ということで同意しました。
 妻に言われただけだったら首を縦に振ることはなかったでしょう。やはり幸恵さん本人の話が大きかったです。抱かれる側の女性が積極的になっているわけですから。

 妻と幸恵さんがこんな大それたことを思いついた契機ですが、二人でいっしょにネットを閲覧しているときに、夫婦の悩みを語り合う掲示板で夫婦交換の情報を見つけたことがキッカケになったそうです。
 そのとき、妻が「私たちもやってみようか」と提案し、幸恵さんは即座に同意しました。
 幸恵さんに「どうして即答できたの?」と質問したところ、回答は「政彦さんより早く出会っていたら敏夫さんと結婚していた。少なくとも付き合っていたと思うからです」というものでした。

 このときの会話を思い出して、以下なるべく具体的に再現してみます。

「ありがとう。そんなふうに思っていてくれたんだね」
「わたしって変ですね。でも、お宅で初めてお会いしたときにそう思ったんです」
「冴子はそのこと知ってるの?」
「もちろん。すぐに気持ちを打ち明けました。冴子さんは実の姉みたいな存在ですから。二人の間に秘密はありません」
「でもボクと旦那はなにもかも正反対でしょ?」
「ええ、だから余計にそう思ったのかもしれません」
「結婚を後悔してるってこと?」
「いいえ、それはないです。今でも夫を愛してます。これはホントにホントです」
「そうだよね。そうか、冴子は幸恵さんの気持ちを知ってるのか」
「だから提案したんだと思ってるんですけど」
「ということは、冴子も政彦さんに抱かれてみたいと思ってたのかなぁ?」
「冴子さんは敏夫さんに何て説明しました?」
「冴子はボクのための刺激剤だと言うんだけどね。はっきり言って未だに納得できてないんだ。だってボク本人が刺激なんて求めてないんだから」
「そうなんですか? 冴子さんは『始めてから敏夫さんが良いふうに変わった』って言って喜んでましたよ」
「そうなの? 自分ではわかんないなぁ。幸恵さんもそう思う?」
「私にはわかりません」
「そうだよね」
「あ、でも、冴子さんは『私も夫に対して優しくなったわ』とも言ってましたよ」
「そうなの? そんなことないと思うけどなぁ」
「そのあたりは夫婦にしかわからない部分だと思うんで、私にはなんとも」
「さっきの質問に戻るんだけど、冴子は政彦さんが好きなの? どうなの?」
「ん~、どうなんでしょう。一言では説明しづらいんですけど」
「でも、夫婦交換するってことはセックスするってことだよね。好きでもない人とセックスしたいって、ふつう思わないよね。幸恵さんだって、結婚してた相手かもっていう好感を抱いたから提案に同意したわけでしょ?」
「そうですね。そうです。夫婦関係を修復するために嫌々他人に抱かれるってことではないと思います。抱かれてもかまわないという程度の好感はあったんだと思います」
「そうだよね」
「はい。夫のことは何もかも冴子さんに話してましたから。もちろん夜の話も」
「冴子は何人の男に抱かれたんだろう? 知ってる?」
「知ってますけど、私の口からは言えません。本人に教えてもらってください。スミマセン」
「そうだよね。卑怯だった。ゴメン」
「私は二人だけです」
「うん、それは昨日聞いた。嬉しかったよ。ホントに」
「ありがとうございます。で、冴子さんの気持ちなんですけど、正反対の男性と付き合うことで夫の良さをあらためて感じる、ってことではないでしょうか」
「あらためてねぇ。そのあたりの心情は、男のボクにはよくわかんないなぁ」
「そうですか? 私にはよく理解できますけど。私の夫に好意を持っていることは確かですけど、それは私と同じようなものだと思うんです。つまり、入れ替えをしているときは仮の夫を好きになってるけど、そうじゃない普段のときは本当の夫を愛している。そういうことなんだと思います」
「なるほどねぇ。って言っても、やっぱりよくわかんないや」
「ですから、夫婦関係を修復するためのスワッピングもあるし、関係をより良くより深めるためのスワッピングもあるということではないでしょうか? もちろん私たち四人のものはより良い関係のためです」
「なんだか哲学的だね」
「いえいえ、そんな難しいことじゃなく、冴子さんと私は自分の気持ちに素直に従ってるだけなんです」
「素直ねえ~」
「はい」
「わかったようなわからなかったような感じだけど。幸恵さんの気持ちはよく理解できたよ。ありがとう」
「うまく説明できなくてスミマセン。帰ってからまた冴子さんに確認してみてください。こんど会ったときに私からも敏夫さんの気持ちを伝えておきます」










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豪円寺 琢磨
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