日野氏が裁縫用の裁ち切り鋏を取り出します。
小説ではショーツを切るために使われるのですが、妻は履いていませんから、これでガードルを切るのでしょう。
両サイドを切って下腹部から剥ぎ取る。そう思ったのですが、実際は違いました。
日野氏は前面の刺繍柄の部分をつまんで切れ目を入れます。刃先は下方へ進んでいき、股間をまわります。
刃先が内股に触れ妻が「ひい~」という悲鳴を上げます。
日野氏が「動くな!」と強い口調で注意を促します。
日野氏がテーブルを部屋の隅に片づけます。
テーブルがあった場所には厚手の天津絨毯が敷いてあります。妻が抱きかかえられ、絨毯の上に下ろされます。
日野氏が妻を見下ろしながら命令します。
「足を開け!」
妻がゆっくりと足を左右に移動させます。
「膝を立てろ!」
妻がはじめて抵抗をみせます。
「で、できません。恥ずかしいです」
「ダメだ! 命令が絶対なのはわかってるだろ! 返事は!」
妻が「はい」と答え、膝をふるわせながら命じられた行動をとります。
日野氏が妻の足もとに座り込み、両方の大陰唇が見えるようにガードルを丸く切り取ります。手持ちのカメラが妻の秘所を捉えます。
妻のアソコはすでに潤んでいます。それも凄い濡れようです。
上半身を愛撫されただけなのに、こんなに感じていたのです。
日野氏が妻に与えた刺激は、たいしたものではありません。
手錠をかけられた半裸状態というシチュエーションが、妻にかなりの快感を与えたのだと理解するしかありません。
異状に性的興奮を覚えたのです。日野氏の手腕にまた感心してしまいました。
日野氏がクンニを始めます。
大きな舌を使って、クリトリスとアヌスの間を何度も何度も往復します。カメラは男の舌先をずっと映しています。
妻の膣口からは愛液が溢れ出ています。感じている証拠です。
セーターの中で「あんあん」「うんうん」と短い歓声を上げています。
日野氏の執拗な責めは1時間近く続きました。その間、妻は3回は達したはずです。
日野氏はずっと無言でした。
静寂な我が家のリビングに、妻の甘い声だけが響きます。
我々夫婦の時間の大半は、この部屋の中にあります。その、ある意味不可侵である場所で、他人が妻を愛撫しているのです。
私は何とも言えない気持ちになりました。
もう観たくないという嫌悪感ではありません。かといって、妻が他人に逝かされて興奮しているわけでもありません。
本当に何とも言えない奇妙な感覚に襲われたのです。
日野氏がズボンと下着を少しだけ下ろし、妻にのしかかります。
上から見ると、性犯罪者が青姦しているようです。
「あ~」
妻が叫びます。
日野氏の剛直が入ったのでしょう。いきなりの挿入です。
妻は服も下着も着けた状態で犯されています。襲う側も同じです。
お互い股間だけを露出して性行為に及んでいます。
部屋全体を撮影している映像だけ観ると、何をしているのかよくわかりません。巨体が妻を覆い隠してしまっており、日野氏が体幹トレーニングをしているようにしか見えません。
感じている妻は、「いい、いい」とか「いや、いや」とか「ダメ、ダメ」とか、さまざま声を上げて歓びを表現していますが、日野氏は黙ってもくもくと突き続けます。
体位の変化もありません。
ずっと正常位で、妻の足の位置が変化するだけです。(実際に見たことはありませんが)まるで強姦シーンを眺めているような気になりました。
日野氏から突き出ている(ように見える)細い二本の足は、まるで純白の腰紐のようです。
腰から垂れたり、腰に巻かれたり、ときには消えたり。じつにさまざまな動きをみせます。
妻の感じ様が両足に現れていると思いました。
日野氏によるピストン運動は1時間以上続きました。その間、妻は数えきれないくらいの絶頂を味わいました。
回数はわかりません。あまりに感じすぎて、妻の声は途中から言葉を無くしました。
はじめのうちは「逝くー」とか「ダメー」とか言っていたのですが、絶頂の波が来だしてからは「うう~」とか「う~ん」といった寝言のような音しかしなくなりました。
セーターで顔が隠されているため、表情でカウントすることもできません。体の反応で確認するしかないのですが、その反応も後半はかなり鈍くなってしまい、はっきりと数えることは困難でした。
ぐったりして半分気を失っている妻に、ついに日野氏が射精しました。
一度、二度、三度、四度、五度。日野氏の腰が震えました。大量のスペルマが放たれたようです。なにしろ、これがこの日はじめての放出です。
それにしても、日野氏の忍耐力には平伏させられる思いです。
責め続けるだけならわかりますが、フェラさせたり挿入したりしたにもかかわらず、しかも相手を何度も絶頂へと導いた上で、長時間にわたり一度たりとも射精しなかったのですから。
私なら玄関での挿入で確実に出しています。
このように濃密なプレイを続けながら発射を我慢することなど、私にはとうてい不可能です。
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