妻が目を覚ますのを待って、もう一度謝りました。
「冴子、ゴメン。本当にすまなかった。アメリカなら強姦罪で訴えられてもしかたがないところだ」
妻は隣に座り直し、私に寄りかかりました。
「いいの。気にしないで。あなたが怒るのは当然よ。だって…」
左手で愛妻の肩をそっと抱き寄せました。
「自分でも驚いたよ。あんなことをするなんて。どうかしてたんだ、きっと」
妻が頬刷りをしてきました。
「私は嬉しかった。それだけ嫉妬心があったってことでしょ。あなた、いつもはポーカーフェイスだから」
妻が良い方向に解釈してくれてよかったと安堵しました。
「でも何で抱きついて離れなかったんだい? おかげで中出ししちゃったじゃないか。妊娠したらどうするの? どっちの子供かわかんないんだよ」
妻がクスクス笑いました。
「な、なんだよ。急に笑い出して。僕は真面目に話してるんだ」
「そうじゃないのよ。ゴメンナサイね」
「どうして謝るんだ?」
妻が真顔で話しはじめました。
「今度こそ怒らないで聞いてよ。
実はわたし、ピル飲んでるの。だから妊娠はしないの。
前回は膣外射精だったけど、妊娠する可能性はじゅうぶんあるでしょう? それで、幸恵ちゃんと相談したのよ。どうしようって。
幸恵ちゃんがいくら妊娠しにくい体だっていっても、若くて健康なんだからいつ妊娠したっておかしくないわけでしょう?
いつもゴムを着けるってゆーのがベストの選択なんだろうけど、いままでの流れからしてそれは難しそうだし。
あなたには悪いんだけど、わたし、政彦さんに頼まれたら拒むことはできそうにもないもの。なんでかわかんないけど、そーゆう雰囲気になっちゃうのよ。
で、幸恵ちゃんも、あなたに抱かれるときはコンドームなしで愛されたいって強く望んでるわけ。どうしてかは直接本人に聞いてね。
というわけで、二人でいっしょにピルを飲みはじめたのよっ。
この間のとき、幸恵ちゃんが中に出しても大丈夫って言ったでしょう? あれはそーゆー意味だったのよ。
でなかったら、他人に『出して』なんて、さすがに言わないわよ」
妻が饒舌になったことを確認した私は、さっそく質問を始めました。
「政彦さんは知ってたの? 二人がピル飲んでること」
「知ってたわ。幸恵さんが話したもの」
ぶつけようのない怒りがまたこみ上げてきました。
「じゃあ、僕だけ知らなかったってこと?」
私の感情の変化に気づいた妻が慌てて説明します。
「怒らないでよ~。別にあなただけ除け者にしようとしたわけじゃないの。私がわざと言わなかったのよ。幸恵ちゃんには『教えたほうがいいですよ』って忠告されたんだけどね」
私は怒気のこもった声で聞き返しました。
「どうして?」
「ほら、いまも怒ってるでしょ。私はあなたに嫉妬してほしかったの」
「どうして?」
「愛されてるって実感できるでしょ。まさかレイプされるとは思わなかったけど。でも私、本当に嬉しかったの」
「どうして?」
「嫉妬と愛情は比例してると思うのよ。ゴムなしで出されるのを見て無反応だったら、奥さんにそれほど興味がないってことでしょ。だから私はとても安心できた」
妻の言葉を聞いて憤怒は消え去り、そんなふうに思ってくれていたんだと、逆に嬉しさがこみ上げてきました。
私は自分のことしか頭になかったことを反省しました。
妻は妻で相当悩んでいたのです。夫に動画を見せながら、心の中で葛藤していたのです。
あらためて妻に愛おしさを覚えました。
しかし、妻の心情は理解できましたが、ピルを飲んでいることを教えてくれなかったことに対しては不信感を抱いています。
妻は私の嫉妬心を煽るためと説明しましたが、本当は中出し初体験の相手を日野氏にするために黙っていたのではないかと疑っています。
妻から避妊薬服用の話を聞いていれば、私はすぐにでも中出しセックスに及んだはずです。
いくら忙しくても体調が悪くても、万難を排して実行しています。他人夫に先を越されるわけにはいきませんし、男としてのプライドもあります。
私の嫉妬心をかきたてるのが目的なら、ほかにいくらでも方法があります。実際、私は動画冒頭の裸エプロンを観ただけで怒髪天を衝く状態になったわけですから。
最初の相手として日野氏が立候補(もしくは命令)していたのかもしれません。
幸恵さんはそれを知っていたから、私に中出しさせてくれたのではないでしょうか?
もし6度目の“交換”があったら、そのときに確認してみます。幸恵さんが私に嘘をつくことはないと思いますので。
私があれこれ想像を巡らせている様子を見て、妻は私がまた不機嫌になったと勘違いしたらしく、面白そうな話題を持ち出してきました。
「ビデオ観て、あなたは怒ったけど、幸恵ちゃんのとこだって大変だったんだから。あなた知らないでしょう?」
想定外の話が振られ、興味を持ちました。
「えっ、そうなの? 僕は何も悪いことしてないよ。幸恵さんに無理なお願いもしてないし。それにオマエたちみたいな変態プレイもしなかったし。動画観ただろ?」
妻が私の手の平を何度も摩ります。顔が完全にニヤけています。
「その訳、聞きたい?」
私は火照った右頬にキスします。
「ああ、おおいに聞きたいね~」
妻が思い出し笑いを始めました。
私は我慢できずに催促します。
「おいっ、はやく教えてくれよ。いったい何があったんだよ~」
妻がクスクス笑いながら説明してくれました。
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