「あなたが撮ったビデオを観て、政彦さんが嫉妬したらしいの。観て1週間くらいは機嫌が悪かったのよ。会う度に、幸恵ちゃん、愚痴こぼしてたもの。
で、その1週間、毎晩襲われたんだって。いや違うわ。毎晩てゆーのは正確じゃないわね。
朝起きて合体。昼休みはテレホンセックスして写メ送信。帰宅後はあちこちでハメまくり。政彦さんて本当に凄いわよね。どこからあんな元気が出てくるのかしら。
でね、その理由がとっても面白いのよ。
あなたは私が激しい愛撫を受け入れたことに怒ってたでしょ。でも、政彦さんは違うの。逆なのよ。
二人の間に醸し出されてたホンワカした、なんてゆーのかなぁ、愛情? 違うなぁ、うん、男と女の深いキズナ、結び付き。そんな空気にとても腹が立ったんですって。
幸恵ちゃん、『体がもたないわ』って苦笑いしてたわ。あんな旦那を初めて見たってすごく驚いてた。
神経の図太い人だとばかり思ってたんだけど、繊細なところもあるんだなって。
旦那の意外な面を新発見したわけよ。よかったわよね~、ホント。
話は以上! ね、面白かったでしょう? わたし、政彦さんのことがますます可愛くなっちゃった」
私は妻の説明にまったく納得がいきませんでした。
日野氏が不機嫌だったのは、ただ単に欲求不満だったからなのではないでしょうか?
冴子との激しく変態的なセックスを味わってしまった日野氏が、幸恵さんとのスローセックスに満足できるとは到底思えません。
それでも欲求は募るばかりだから朝に夕に妻とセックスを繰り返した、というのが私の想像です。
仕事柄、私はさまざまな男性と付き合いがありますが、日野氏は配偶者がらみで嫉妬に狂うような男ではありません。
日野氏の本性は《狡猾なサド》です。幸恵さんは人が良すぎて、その真実の姿に気づいていないのです。
その点は、私の妻も同様です。
そこが愛すべきところでもあるのですが、大きな弱点でもあります。そこを日野氏にうまく突かれて、いまは完全に洗脳状態です。
異常なシチュエーションでさんざん陵辱され、性の道具としていいように使われているだけなのに、それを愛情と勘違いしています。
もし日野氏が動画を観て本当に嫉妬したのなら、それはきっと私と幸恵さんとの間にある《互いを思いやる心》を感じとったからだと思います。
自分(日野氏)が絶対に与えることのできないものを、他人の私が注ぎ込んでいるわけですから、多少の嫉妬心が起こっても不思議ではありません。
現在の日野氏の頭の中にはさまざまな妄想が渦巻いていると思います。もちろんその対象は私の妻です。
夢見てきたプレイをほぼ100%受け入れてくれるパートナーが目の前に現れたのですから、本当なら週末ごとに会って事に及びたいと願っているはずです。
しかし、あくまで“交換”が前提ですから、あの手この手を駆使して私が幸恵さんを抱きたくなるように仕向けている。今回の動画を確認して、私はそんなふうに思いました。
そう考えると、3人の行動がうまい具合に連結されるのです。辻褄がよく合うのです。
確かに、いま私は幸恵さんに惹かれています。もちろんセックスのときも楽しいのですが、それよりも二人の会話の時間が楽しくて楽しくてしかたがありません。
恋人気分っていうのでしょうか、妻といっしょにいても味わうことのできない《日常的な快感》を、幸恵さんといっしょのときには体感することができるのです。
しかし、そのために愛妻を差し出すわけにはいきません。
私は冴子を愛していますから、自分の快楽のために最愛の女性を野獣の生け贄にすることなどできるはずがありません。
ジギルさん。
理屈っぽい話になってしまい申し訳ありません。
私の心情を理解してもらいたいがために、微に入り細に入り説明しすぎました。テキストだけでも過剰な文量で、これでは分割しないと送信できそうもありません。
夕刻から翌夕にかけての部分は簡潔に説明させていただきますので、もう少しだけお付き合いください。
日野氏が妻を起こします。そして、後頭部からクッションを抜き取り、セーターを下げます。
妻はソファーに腰掛けます。不安げな表情をしています。
妻の前で仁王立ちした日野氏が尋ねます。
「いまから何をしたい?」
「わかりません」
「オレはオマエのオナニーがみたい。見せてくれるな?」
「い、嫌です。恥ずかしいです、そんなの」
うつむく妻に日野氏が選択肢を与えます。
「ダメだ! そのかわり好きなモノを選ばせてやる。何がいい?」
「ご主人様、好きなモノって言われても、思いつきません」
「いつも使ってるヤツがあるだろう? アレを持ってこい!」
妻が画面から消えます。
私は小説と同じものを持ってくると思いました。
果たして、妻はソレを手に持って戻ってきました。掃除用のハンディモップ(小説ではダスキンのモップが使われます。愛妻はモップではなく腰を動かして自慰を行います)です。
妻は同じ場所に座り、両足をソファーに載せてM字開脚します。大切な部分がくり抜かれたガードルが現れます。厚ぼったく腫れた大陰唇が、さきほどまでの激しさを物語っています。
日野氏が妻の前に座り込んで命じます。
「さぁ、いつもやってるようにやりなさい!」
妻がカメラに向かって返事をします。
「はい、ご主人様。冴子の恥ずかしい姿をじっくりとご覧ください」
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