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交換も五度目なら(終)


 お相手が元妻というのは、アブノーマルといえばアブノーマルなのでしょうが、会うたびにさまざまな新発見があり、これはこれでとても新鮮な体験です。
 本当に不思議です。
 結婚時代に何百回と合体した相手なのに、“交換”時に会って肌を合わせると、同居時には得られなかった快感を享受することができるのです。
 フェラチオとアナルセックス以外、やっていることは夫婦時代とたいして変わらないのに、幾たび交わっても倦怠感はありません。それどころか鮮度が増してゆく感じがします。
 世間様からみたら立派な不倫ですから、背徳的な合瀬が不可思議な感情を呼び覚ますのしょう。
 他人妻を犯していると想像しただけで、肉棒の硬度も感度も数倍上がり、気持ちよくてしかたがありません。

 逆に、幸恵と日野氏は再会してもあまり盛り上がらないようです。現妻・幸恵がそう言っていました。
 性器を舐めることがメインイベントになっていて、日野氏が挿入しない日もあるそうです。
 離婚した最大の原因がセックスの相性にある日野氏にとって、別れた妻との交流はそれほど楽しいものではないのでしょう。

 二人は抱き合っても世間話ばかりしていて、もっぱら日野氏が質問して幸恵が回答するという、まるで裁判の証人尋問のような会話だそうです。
 その内容も我々の夫婦生活に関すること、とくに夜の生活に関連するものが多いそうです。
 日野氏との個人的な交流が皆無である私としては、勝手に想像するしかないのですが、日野氏は元妻から我々の性生活を聞き出して、自らの嫉妬心をかき立てているのではないでしょうか。
 そして、冴子とのプレイ時にその嫉妬を彼女にぶつけて虐めて楽しんでいるのではないかと思うのです。
 ご紹介させていただいたとおり、日野氏の性癖はかなり特殊ですし、あの温厚で優しい幸恵と精神的に繋がることができない性格の持ち主ですから、じゅうぶん考えられることだと思います。

 それよりも私は、ドSの日野氏が幸恵を言葉責めにして喜んでいるのではないか、という懸念が脳裏から消えません。
 幸恵の方にその自覚がなくても、日野氏はそのつもりでサディスティックな質問を繰り返し浴びせているような気がしてしかたがありません。
 四人の“交換”イベントは、そろそろ潮時かもしれません。

 日野氏は別の交換相手を探している、と私は考えています。
 変態的で刺激的なプレイを好む日野氏にとって、平々凡々な我々夫婦では物足りないと思うからです。
 幸恵か冴子が懐妊した時点で“交換”というお遊びは終了ですが、 日野氏は、間違いなく、その後のことを模索していると思います。
 プレイ前に交わす簡単な会話の中に、日野氏の思惑を予想させる文言がいくつかありました。

 私たちに次の夫婦交換はないと思います。少なくとも子育てが落ち着くまでは絶対にありません。
 もちろん私たちも、アナルセックス、野外露出、ソフトSM等々、変態的なプレイをすることはありますが、それは愛で結ばれた夫婦であるからこそ可能なことであって、他の女性とプレイしてみたいとは思いません。
 私は愛妻との行為で十二分に満足できています。彼女も同様のはずです。

 最後に一言。
 《夫婦交換を実践すれば、より幸せになれる》
 これは事実です。
 冴子から提案を受けたとき私が拒絶していたら、私が幸恵と再婚することはありませんでした。
 しかし、ネットでいろいろ調べてみたところ、実践して結婚生活が破綻したカップルも少なからず存在するようですので、私個人としては他人様に夫婦交換はオススメしません。
 私のケースはただ単に結果オーライだっただけだと思っています。
 お相手と再婚してハッピーエンドというのが私の実践結果でしたが、日野氏と冴子の現状には危うさが漂っており、日野氏はともかく、冴子が“より幸せになった”とは断言できません。

 今回の件ではジギルさんに本当にお世話になりました。
 ひとつひとつの実践的アドバイスがすべて役立ちました。
 ジギルさんと知り合っていなかったら、私はきっと幸恵との結婚に踏み切れなかったと思います。
 3週間後のオフ会には参加させていただく予定です。そのときに愛妻をご紹介できると思います。
 でも貸出はできません(笑)。寝取るのもヤメてください(爆)。

 なお、NCベンダー関係の最新データは、そのとき直接お渡しします。WHG社の特許に関する情報もお見せできると思います。
 細かい説明もそのときにさせていただきます。

 祝杯を楽しみにしています。
 くれぐれもお体だけはご自愛ください。

2014年○月○日
ハイドこと阿部太陽 拝










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テーマ : 18禁・官能小説
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豪円寺 琢磨
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