午後11時16分。
上半身を拘束されたままのメス奴隷が、主の毛むくじゃらの胸に顔を埋めて涙声で尋ねる。
「永田さん、私は山里に捨てられたってことですか?」
幾筋もの縄目がついた真っ白な背中に向かって、計画の首謀者が答える。
「いいえ、それは違います。あなたを愛しているからこそ、私に託したんです」
里穂の声が大きくなる。
「それはどういう意味ですか?」
「数々の調教を受けて里穂さんが本物のマゾ女になったら、それは僕のメス奴隷になるということですけど、俊樹はあなたに逢いに来るつもりなんです」
里穂が首を回して雅夫を見る。顔には安堵の表情が浮かんでいる。
「ほ、本当ですか?」
「ええ、本当です。調教過程は信治が撮った動画で逐一報告してます。あなたの変わりゆく姿を観て、山里君はとても喜んでますよ。互いにマゾとして再会できる日も近いってね。
一応説明しておきますけど、僕が俊樹とプレイすることはありませんよ。僕の対象はあくまで女性なんでね。だから、もし3人で再会することになったら多分、知り合いの女王様を連れて来て4人でプレイを楽しむことになります」
里穂の顔に困惑の表情が浮かぶ。
「そ、そんな…夫といっしょに責められるなんて、私には耐えられません」
「なに言ってるんですか。いろんな男たちにさんざんいたぶられていて。自覚してないだけで、あなたはもうじゅうぶん耐えられます。私が保証します」
「そうでしょうか?」
「ええ。何回かプレイすれば、俊樹といっしょに責められてエクスタシーを感じるようになりますよ」
午後11時33分。
信治が里穂の縛めを解いて隣に座らせる。縄目が痛々しい里穂は、体を丸めて胸と股間を両手で隠す。やはり雅夫には見られたくない。
満足げな表情をした信治が、かしこまる女の頭を撫でながら話しかける。
「まあ、当初はそういう予定だったんだがな。プランを変更したんだ。俺が無理を言って変えさせたんだ」
あいかわらず向かい側に座っている雅夫が、愉しそうに説明を加える。
「あなたのような女性が信治に好意を持つというのは意外でした。完全に予想外の出来事でした。
もともとのプランは、あなたを僕の愛奴として保護し、ときどき俊樹に逢わせるというものでした」
信治が里穂の顔を覗き込む。
「でもそれだと、俺はオマエと別れなきゃいけないだろう? 逢うには成治の許可が必要になる」
雅夫がさらに説明を加える。
「だから、俊樹の了解を取り付けて、里穂さんのご主人様はこの信治ということになりました。俊樹も『信治なら安心だ』って喜んでいましたよ」
午後11時45分。
感極まった里穂が体全体を振るわせながら泣きはじめる。信治が優しく背中を撫でてやる。
「それじゃあ、私は俊樹さんとも信治様ともお別れしなくてすむんですね?」
「そうですね。そういうことになります。ただひとつだけお願いがあります」
涙で目を腫らせた里穂が顔を上げて雅夫を見つめる。
「なんですか?」
雅夫が里穂に微笑みかける。
「僕もプレイ仲間に入れてほしいんです。なんだか愉しそうですからね。予想外の興奮も得られそうだし」
里穂がちらっと横を見る。満面の笑みをたたえた信治が、困惑している里穂を抱え上げて膝の上に載せる。
「それはご主人様の俺が許可する。里穂、いいな?」
顔を真っ赤にした里穂が信治の首に両腕を絡めて抱きつく。
午前0時ちょうど。日付が変わった。
熱い口づけと抱擁を交わしたあと、信治がまた後ろから貫き、下肢を大開きにさせて秘密の園を露わにさせる。その淫靡な光景を、雅夫が愉しそうに眺めている。
しばらくして、信治が雅夫に話しかける。
「今夜は3人で思いっきり楽しもうじゃないか」
雅夫が立ち上がって服を脱ぎはじめる。
「そうだな。そうしよう。僕もなんだか無性に責めたい気分なんだ」
「里穂、雅夫にご挨拶だ!」
そう言って、愛奴を床に下ろす。
よろよろと立ち上がった里穂は、ゆっくりと歩を進めて新しい主の前で正座をして三つ指をつく。
そして、決然とした声で淫らな口上を述べる。
「雅夫様。お忙しい中、お訪ねいただき、ありがとうございます。今宵、里穂は雅夫様のメス奴隷でございます。どんなご命令にも従います。里穂の恥ずかしい姿をご堪能くださいませ。よろしくお願いいたします」
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