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家庭内輪姦の果て(12)


 4人が泊まりがけで輪姦を楽しんだ日の1ヵ月ほど前、里穂は信治と会った。1年ぶりに帰国した夫が幼馴染みで親友の信治を自宅に招いたのだ。
 結婚式のときに会っているはずだが、里穂の記憶に信治の姿はなかった。友人代表で祝辞を読んだ男が木崎だと言われても、やはり思い出すことはできなかった。
 食事会の1週間前に電話で話したが、そのとき受けた心象はあまり良いものではなかった。個人的なことをあれこれ聞かれたのもそうだが、威圧的な物言いと妙に饒舌な話し方が里穂を不快にさせた。
 この日、会ったときの第一印象も芳しいものではなかった。仕事ができる感じはするが、軽薄なイメージがどうしても拭えない。
 なにより清潔感に欠けているのが嫌だった。服はヨレヨレで髭も剃っていない。腹が出ていて体毛が濃い。
 何事にもスマートな夫とは対極にいる男だった。二人がなぜ親友どうしなのか、どうしても理解できなかった。
 しかし、バイオ関連企業の研究員をしている夫にとって、信治は親会社の重役にあたるため、無碍に扱うこともできない。
 里穂は笑みを作って夫の親友をもてなしたが、心の中では「早く帰ってくれないかなあ」とつぶやいていた。久々に帰って来た夫に甘えたくてしかたがなかった。

 晩餐の準備ができたところで、里穂がリビングで寛ぐ二人に声をかける。
 山里家の主、主の親友、そして主の愛妻が仲良く食卓に着き、主婦が腕によりをかけて作った和食を堪能する。テーブルの中央には新潟の銘酒が鎮座している。
 山菜のお浸しに箸をつけた客人が料理を褒める。
「こりゃあ、旨い。本当に旨いですよ、里穂さん!」
 いきなり名前を呼ばれ、その馴れ馴れしい態度にイラっとするが、夫人は平静を装って受け答えする。
「そうですか? お口に合ってよかったです。さあ、一献どうぞ」
 巨漢が杯を受けながら親友に話しかける。
「どうだ、やっぱり日本食がいちばんだろう?」
 能面のような顔をした主が煮魚を口に運ぶ。
「ああ、そうだな。久々に食べたが、やはり日本食は美味しい」
 妻が満面の笑顔を浮かべる。
「そう? 喜んでもらえて嬉しいわ。どんどん食べてね」

 疑念でいっぱいの里穂が男たちの関係を探りにかかる。
「ねえ、俊樹{としき}さん、木崎さんとはよく会ってるの?」
「うーん、前回会ったのは出国の何日か前だったかなあ?」
「そうそう、俺の部屋に挨拶に来たときだ」
「その前は?」
「会議なんかで月に数回会う程度だったかなあ?」
「里穂さん、コイツは本当に人付き合いの悪いヤツでね。個人的に飯を喰ったりするのは半年に1回あればいいほうなんですよ」
「いいじゃないか。どうせ会ったって仕事の話しかしないんだから、会社で会えばじゅうぶんだ」
「里穂さん、俺はねぇ、里穂さんに会いたくてしかたがなかったんですよ。結婚式のときに一目惚れしちゃったんです。で、俊樹に何度も招待しろって言ってたんですけど、呼んでもらえたのは5年後ですよ、5年後。ホント、冷たいヤツだ」
「君みたいな猛獣を連れて来るほど僕は無能じゃない。5年後だって、招かれたことに感謝してほしいよ。だいたい君は何回結婚したんだ?」
「たったの2回だよ。悪いか? 今は独身貴族だし、子供もいないんだから、結婚にはなんの支障もない!」
「おいおい、なんだよ。また結婚するつもりなのか?」
「当たり前じゃないか。今度は里穂さんみたいな人といっしょになるんだよ」
 二人の仲がそれほどでもないことを知り、里穂はホッと胸を撫で下ろした。

 話題は自然と主に移った。
 顔を赤らめた信治が親友のお猪口に清酒を注ぐ。
「オマエ、1年ぶりの帰国だっけ? ずいぶん印象が変わったなぁ。街ですれ違っても気づかないかもしれんぞ」
 頬を桃色に染めた里穂が、大きくうなずいて相づちを打つ。
「そうなんですよ、木崎さん。会ったとき、あまりのやつれように、私、ビックリしちゃたんです。いくらお仕事が忙しいからって、健康に気をつけてくれなくちゃ」
 真面目な顔をした主が杯を一気に空ける。
「異国で2年も暮らしてるんだ。変わったっておかしくないだろう?」
「里穂さん、アメリカは短期間で成果を求められるから、とっても大変なんですよ。でも、コイツの成績は抜群だから、そのうち凱旋帰国できますよ」
「そうだといいんですけど」
「もう少しの我慢ですよ。コイツの頑張りは本当に凄いんです。なにしろ、我が社の期待の星なんですから」
「そうなんですか? この人、なにも言わないから」
「そうなんですよ。担当役員の私が保証します」
「ありがとうございます。これからも主人のことを宜しくお願いします」

 信治はそろそろ頃合いだと思った。
 目線を親友に向けると、相棒が小さくうなずく。何も知らない生け贄は、ほろ酔いでご機嫌の様子だ。
 悪漢たちの淫蕩な計画が、とうとう実行に移された。 


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豪円寺 琢磨
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